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明渡請求の勝訴判決後の手続き ~強制退去~

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はじめに

家賃を滞納している入居者に対し、賃貸借契約を解除して建物明渡請求の裁判を起こして勝訴判決を得ても、そこで手続きは終わりではありません。民事の裁判において、勝訴判決が出ても自動的に裁判所がその内容を実現してくれるわけではなく、相手方が自発的に判決の内容に従ってくれない場合には、再び裁判所に強制執行の申立てをすることが必要なのです。
建物明渡請求訴訟の場合にも、勝訴判決を受けて、被告が自発的に退去してくれればよいのですが、そうでない場合には、強制執行を申し立てて、裁判所の執行官に強制的に出ていかせてもらうようにしなければなりません。
具体的にどのような手続きになるのか、書いていきたいと思います。

強制執行とは

そもそも強制執行手続とは、勝訴判決の内容や裁判上の和解が成立したにもかかわらずその内容(建物の明け渡しなど)を相手方が履行してくれない場合に、判決など(債務名義といいます)を得た人(債権者。原告勝訴判決なら原告)の申立てに基づいて、相手方(債務者)に対する請求権を、裁判所が強制的に実現する手続です。
建物明渡請求の場合には、裁判所の執行官が建物に臨場して、債務者の占有を解いて(人を退去させ、物を搬出して、鍵を取り替えます。)債権者に引き渡します。

強制執行申立て

強制執行をするにあたって必要な書類は、債務名義、執行文、送達証明書の3つです。
債務名義とは、分かり易く言うと債務者の義務について国が公に認めた書類で、民事執行法に規定されているものになります。ここでは、判決や裁判上での和解調書のことだと思っていただいて支障ありません。
この判決や和解調書に、裁判所の書記官が、この書類に基づいて強制執行ができることを示す文書を付けます(判決などを裁判所にもっていって、文字通り末尾に文書を付け足します。)。これが執行文です
執行文には、債務名義さえあれば強制執行ができる単純執行文や、債務名義があって、なおかつ一定の条件がそろえば強制執行ができる条件成就執行文などいくつかの種類があります。建物明渡の場合には、判決に対しては単純執行文が付されますが、和解調書に対しては和解の内容により条件成就執行文が付される場合があります。
さらに強制執行をするためには、債務名義が債務者に予め送達されていることが必要です。そのため、判決や和解調書が債務者に送達されたことの証明書を、判決や和解調書を作成した裁判所に出してもらうことになります。

これらの書類がそろえば、強制執行申立書を作成し、執行裁判所または執行官に提出します。どちらも、地方裁判所の中の強制執行を扱う部署であり、強制執行の種類(実現を求める権利の種類と言ってもいいでしょう。)により、どちらに申し立てを行えばよいか決まっています。
建物明渡請求の場合は、執行官に対して申立を行います。
この際、数万円の予納金を納めなくてはなりません。

催告・断行

強制執行の申立てを行うと、執行官から電話がかかってきます。そこで執行官と催告の日程や立ち会う業者、解錠業者の要否などを打ち合わせます。
催告というのは、執行申立て後2~4週間ほどの間で、執行官が建物に立ち入って、判決が出ており○月○日に強制退去になるという予告を行うものです。執行官は建物の内部にその旨の書面を貼りますので、合い鍵がない場合には解錠業者が必要になります。また、強制退去の日に、実際に荷物の運び出しや、保管・処分を行う業者にも来てもらい、かかる費用について大体の見積もりもしてもらうことが多いです。
催告の日には、証人と、債権者側の人間が立ち会うことが必要です。

催告の時に予告された、強制退去になる日に行われる手続のことを、断行といいます。
断行では、建物のカギを開け、債務者が残っている場合には出てもらい、残している荷物については業者が運び出します。完全に債務者の者が建物内に残っていないことを執行官と債権者側の人間が確認し、鍵の交換を行って、債権者側は引き渡しを受けます。
運び出された荷物のうち、家財道具については業者のもとで一定期間保管され、債務者が取りに来なければ処分されます。
断行の際に作業してもらう業者に払う費用は、荷物の量や建物の広さによりますが、普通の賃貸物件の明渡であると、20万円から50万円の範囲内がほとんどである印象です。

まとめ

強制執行を申立て、催告、断行まで終えて、ようやく建物は自分の手元に戻ってきます。
判決を得てもまだ手続きは途中なのです。
時間はある程度かかりますが、家賃を滞納される入居者の方がいる場合には、早めにご相談頂くことで、時間を最短にすることができます。損害を最小にするためにも、ぜひ早めにご相談ください。

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